NSP170 シエンタ エンジン始動不良(長期放置後始動不良)
今回の記事は起業を夢見る10年目サラリーマン整備士(某ディーラー勤務)が故障診断をしてみたのでご覧頂けたらと思います^ ^
普段を上げるシエンタ〜♫ でお馴染みのやつですね^ ^
ここ最近買い物に行って、買い物が終わってエンジン始動しようと思ってプッシュボタンを押してみるもキュルキュルと鳴るが始動しなかったり始動するのに時間がかかるとの事で、本日は始動する気配が無いとの事でレッカーにて搬入されて来ました(^^;;
早速スキャンツールにてダイアグ確認&現象確認をしてみます、、、
確かにエンジンの初爆もなくひたすらキュルキュルと音が鳴るのを確認し、大体想像が付くダイアグを確認すると「始動不良」が入っておりました(^^;; クランキング中のデーターモニターも点検するとしっかりエンジン回転も認識している様です
業界人であればお察しかと思いますが、次に点検するのはCO.HCテスターで始動前のHC濃度測定になりますよね 単気筒不具合なのか多気筒不具合なのかは身体が勝手に識別していると思います^ ^
プルーブを挿す場所はスロットルボデーの中のインマニ内部になります スロットルの弁を押し開けて挿す感じになります スピーディーに測定しないとスロットルを開ける事によってインマニ内に溜まったHCが大気と混ざって薄まってしまいます(^^;;
実際に翌朝ぶっ刺してみると、みるみる数値が上昇して一気に1800ppmまで上がりました!
修理書には1000ppm以上で異常との事なので、点検の結果NGと判断します インジェクターの後垂れ疑惑になります^ ^
始動不良メカニズムはインジェクターの後垂れによって燃焼質内に入って来る混合気が必要以上に濃くなってしまい、冷間始動補正で増量された燃料と相まって点火プラグが上手く着火できない状況になってしまい、プラグがくすぶった感じになっているという事です^ ^
要はカブった感じという事です(^^;;
では交換の方ですが、NRエンジンのインジェクターの場所はカウルトップの下くらいにあるのでカウルトップを外して作業した方がやり易そうなのでまずカウルトップ・ベンチレータルーバーを外しにかかります
まずワイパーアームを外します 初期位置を忘れない様に現在の位置をマスキングテープなどでマーキングしておきます その後ワイパーアームを外します
お次はカウルトップを外します 両サイドの樹脂パーツのクリップと嵌合を外してカウルトップの爪を解除しながら引っこ抜きます
カウルトップを引っこ抜くとワイパーモーターが見えましたね これも外します コネクターを抜いて10mmのボルト3本?くらい外すと外れます
お次はその下の鉄板みたいなのを外します 10mmのボルトか12個くらいあったと思うのでエアツールで外しましょう^ ^
エンジンルームがスッキリして大分作業性が上がりましたね! こっからやっとインジェクターに向かって前進できます お次はEGR周辺を外していきます
EGRですね ほぼほぼこの真下くらいにインジェクターが居ますので、EGRクーラー、パイプなどを切り離したりボルトを緩めてスペースを作っていきます
冷却用のホースを抜いて、EGRクーラーのボルトも外してとこんな感じです
お次はEGR本体 10mm.12mmのナットを外し、コネクターも抜きます そうすると、、、?
ガサッとASSYでズラす事に成功しました^ ^
お次はデリバリパイプを外します 12mmのボルト2本です
ここで管理人気付きます 突出したインマニが邪魔してデリバリパイプを上に引っこ抜く事ができません!?
困りました インジェクターはデリバリパイプに挿さる形で取り付けられているので、一緒に抜いて来る事ができません(泣) 邪魔になっているインマニを外すしかありません(^^;;
しかし、そんな事はしません!笑 その場でデリバリパイプとインジェクターを分解して別々に抜いて出しました^ ^
こんな感じです(^^;; 燃焼室が汚いのが容易に想像出来ますね^ ^
後は組み付けですが、インジェクターの挿さる場所を綺麗になっているか点検したあとぶっ刺して行きます!
4本同時に組み付けるにあたってデリバリパイプとインジェクターの結合部にはオレンジ色のOリングがあるので、組み込むのは容易ではない事が想像つくのであらかじめゴム系潤滑剤を塗布してから一気に押し込んで嵌合させます
これで簡単に挿す事が出来ます^ ^
後は外した部品を組んでいって作動確認・漏れ確認をして終了です
確認する項目は
- エンジン始動は問題なく出来るか
- 冷却水が漏れてないか→外した水のホース周辺
- 燃料漏れがないか→デリバリパイプやインジェクター周辺を目視や聴覚で確認
- ワイパーが作動するか→ウォッシャーを出して点検しワイパーの作動域や停止位置や水が出るか確認
- 外した部品がしっかり固定できているか→ホースバンドやボルト・ナットが締まっているか工具を当てて確認
こんな感じですかね^ ^ 特にワイパーが動くかは一発でクレーム案件になるのでしっかり見る様にしましょう(^^;;
以上、参考になったら嬉しいです
今回もご覧頂きありがとうございました!
整備士歴12年。某ディーラーにて12年ほどお世話になり、現在は陰ながら業界を支持する日々を奮闘中。低年時時代にブログ等にて知識を得た経験から、同じ様な悩みを抱えた人達の役に立てたらとの思いで情報を発信しています。