NHP10 アクア 信号待ちで「ガタガタ」振動が起こる時がある  データモニターを活用した故障診断事例の紹介

今回はNHP10 アクアの不具合修理事例になります。どうも最近、信号待ちで車が「ガタガタ」となる事があったそうで、、、少し前に某ディーラーにてHVバッテリーの取替をしている様ですが、関係あるのか?との質問を受けました。ここで私は聞いた瞬間に関係あると思ってしまいましたが、念のため現象の確認と点検をしてからにしようと思い、その場は濁して預かる事にしました。。。

勘の鋭い方はお分かりかと思います。昔の車ではありませんからねぇー。ワイヤー式ではなく、HVだから特殊ってわけでもございません!構造は一緒ですよ!!

何はともあれ、現象確認。

お客さんの要望が「そもそも不具合なのか?」といった視点で向き合う事が非常に重要です。まず現象の確認を実施します。それによって異常が確認できたら系統を絞り込んで診断のスタートになります。では運転免許証を携帯して走行テストの実施です。お客さんの言う通り信号待ちでガタガタと振動が出るか試乗にて確認します。

総走行距離約18万キロと、なかなか使い込まれている様です。なお更不具合箇所の濃厚度があがりますねぇぇぇ。

試乗に出て信号待ちで止まるもHVの特性でエンジンが稼働したタイミングを狙って停車するのが難しく、EVモードを駆使してHVバッテリーに溜まった電気を上手く消費しながら信号以外の場所で停まったりといろんな事を試しました。なんとかタイミングよくエンジン稼働中に停車でき状況を確認するも、「ガタガタ」といった振動は感じれず、エンジン音が変動する様な(エンジン回転が高くなったり低くなったり)印象を受けれましたので、工場に帰って診断機にて点検を実施します。

診断機にて異常の確認

まずは自己診断のオールデータの確認です。エンジン系だけで良いと思われがちですが、基本に則って総合的に判定していきます。

結果は「異状なし」ですよねぇぇぇ(笑)

管理人はもう絞り込みが出来ていますので、データモニターの確認をしてみましょう。

はい、どうですか? 私の過去記事に記憶がある方もいるかもしれませんが、やはりと言いますか。異常値を発見しました。

そう。「ISC流量」ですね。この値がかなり大きい数値になっているのです。正常値ですと「排気量×0.9」の値で、この車両ですと「1.49×0.9=1.341L/s」この1.3L/sの付近にいないといけないのです。データモニターでは4.1L/sまで大きくなっており、ゆうに2倍を超えています。

絞り込んだ部位の点検を実施

では不具合の絞り込みでデータモニターにて「スロットルボデーカーボン堆積を推測」しましたが、実際はどうなっているのか???

見てみましょう。

あ~、べったり付いてますねぇ(‘Д’) 良かった良かった。データー解析は間違ってなさそうですな!

パカっと開いてみました。うんうん、汚れてますな! ではエンジンコンディショナー等を使用して綺麗に清掃し、記憶している学習値のリセットをしましょう。スロットルボデーの清掃は直接エンコンを噴き付けるのはNGです。ウエスに浸み込ませてから汚れを拭いましょう。

こちらも、いつも通りの「ETCS 10A」と「EFI-MAIN 20A」を5分以上抜き去って消去します。HVだからといって変わった事ではないですよね。

学習値のリセット中にインテーク周辺の復元を行っておきます。

例の部位の作業後、実際にデータや不具合はどうなった?

スロットルボディー点検・清掃、コンピューター学習値リセットが済み、データモニターを見ながらの試乗に行きます。上記にも書きましたが、HVの特性上エンジン稼働中での停車が容易ではありません^^; 走行して、ブレーキかけてとそのブレーキング中に回生ブレーキでエネルギーを蓄えてしまうので、使いたくても使えないなんて思いながら、EVモードにしてエアコンMAX・昼間なのにハイビーム点灯したり、路肩に寄せてハザードも駆使してと散々エネルギーの無駄遣いをしてやっとこさ↓

おっ!良いですねー! 例の項目「ISC流量」の値が1.4L/sまで下がってます。この次の瞬間1.3L/sに下がったりと行ったり来たりの状態になりました(^^)

それとエンジン音の変動は確認できない状態になりましたので、これにて修理完了としましょう(`・ω・´)ゞ

今回の感想・まとめ

いかがでしたか? HEV車(HV車)の故障診断事例でしたが、HV車となると、苦手意識を持つ方も多い分野になるかもしれませんが、基本的な考え方を基に診断する事が非常に重要ではないかと思われる案件だと思いました。結果だけを聞くと聞き慣れたスロットル清掃になりますが、しっかりと理論立てて不具合の理由を説明できると格好いいですよね。

そもそもですが、今回HVバッテリーの取替をしているとの事なので、おそらく補機バッテリーのマイナス端子は脱着されていると思われますので、作業後の不具合になるんじゃないかなぁと推測されます。

通常のバッテリーを交換する際にマイナス端子を切り離す事によって、ラジオやナビゲーション・パワーウィンドウのオート機能の記憶が飛んでしまうのと一緒です。

最後になりますが、我々も最終確認に抜かりがないように努めたいものです。。。あぁ修理代の請求がし辛い案件ですなぁ。。。

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