最初の現象を見過ごしてどツボにハマる!? TRH124 ハイエース ウェルキャブ仕様車 車椅子用リフト不動・修理

今回の記事はTRH124 ウェルキャブ仕様車のリフト不動修理の内容です

現象の確認

まずは現象の確認です リフトを動かしてみます

すると、下降しようとするところで動きません 何故だろう? スイッチを押すも反応がありません

車内に入ってリフトを揺すって動かしてみると動き出しました 接点が悪いのかな? そんな印象です

リフトが動き出して下まで動かしてスライドさせようとするも動きません 担当の営業マンに聞くとこのリフトがスライドしないのが今回のご用命だそうです。整理してみると

  • リフトS/Wを操作しても車内からリフトが出て来ない→今回の入庫きっかけになるご用命ではない。
  • 降りて来たリフトが出て来ない→今回のご用命。

そこで、リフトのスライドを担っているモーターに作動電源がかかっているか点検してみます

12V来てます、作動電圧良好^ ^ 直前のモーターまで電気がかかっているのでモーター不良で間違いなさそうですね

メーカー部品で納期と金額がかかるので、念のため単体点検を実施してみます

フラッパー等を分解しないと問題の作動モーターまで到達出来ませんので分解します

こんなイメージです プラットフォーム?を引っこ抜いて作業します

不具合推定箇所の単体点検実施

取り外して単体点検してみます 廃バッテリーを持って来てモーターにバッ直電圧をかけてみます

、、、反応なし モーターに衝撃を与えてみると 動いたり動かなかったりします 作動モーター不良で間違いなさそうですね

部品交換完了後にまさか、、、

後日部品交換は別のメカが作業してくれました

組み終わって確認していると、、、

ウィーン、、、ピタッ

ヤバい! 動かない!? どうした!?リフトが途中で止まった!

別に原因があるのか、組み方に原因があるのか点検していかなければなりませんが、作業後ですので組み方に原因がありそうなのでそこをまず点検する必要があります

ふむふむ、モーターを分解する途中のW/Hの束がどうも怪しいですね よく見るとビニールテープが破れている様に見えます

めくってみると、やはり

カジってますね 配線がショートして電源がパンクした様です 大事にならなければ良いのですが、更に上流を点検する必要が見えて来ましたね

電源ユニットの大きなヒューズが付いているはずなので、そこを探してみます 場所は左側テールレンズの奥側に大きな箱の様に覆いかぶさっているのでそこを分解します

すると、配線の束からヒューズが出て来ましたがやはり飛んでいました どこかでショートしていそうなので更に点検を進めます

修理書を参照しながらフローを1つずつ潰していきます 日常的に修理をしていないので配線やら構造やらが頭に入っていないので本当に時間がかかります

メインスイッチを点検→良好、リモコンの接点、導通点検→良好、、、

日が暮れる様な内容です そうこうしているとリフトを動かしているコンピュータが悪いのではという結論になり、こちらも高額でメーカー部品ですので納期と金額がかかるので大丈夫かな?治るかな?といって交換してみる事に、、、

、、、ガチャーン!

動きました^ ^ これは嬉しいですね! やれやれと思いながら念入りに作動確認を行なっていると

、、、シーン

またもや止まってしまいました( ゚д゚)

途方に暮れます これは正直キツいです

入庫当初の不具合と現在の不具合が変わってしまっている(汗)

なんだかんだ預かり日数も伸びてますし、先が見えない様で故障診断に前向きになれません

再度見落としがないか修理書の作動条件をもう一度洗い直します

えーと、どれどれパワーリフトASSY 作動条件はっと

ごちゃごちゃ書いてますが、大事なのはアルファベット(e)の項目までの様です 確認してみましょう

  • バッテリー電圧10.5V以上→テスターにて点検12.4Vなので良好
  • バックドアカーテシS/W ON時(バックドア全開状態)→メーターの表示にドアのインジケータが出るので多分良好
  • メインスイッチON時→フローでも点検良好だったのでオッケー
  • プラットフォーム用シートベルトON時(シートベルト切り離し状態)→そもそも車椅子等乗せていないので触っていない=良好

後はエンジン始動とか、シートベルト外してるとかバックドア開いてるとかそんな感じです

どれも作動条件は満足してそうです やはりもっと別なところを点検しなくてはならないのかとか考えていると、シートベルトの点検について妙に疑問が残り始めました

シートベルトが外れていること うーん(・・?)

バックルが抜けていると、テスターではどういった結果が出るのか? ∞Ω? 0Ω?

気になって修理書を確認してみると

あったあった、下の方ですね 「タングプレート抜き時導通あり

ベルトをしていない状態だと0Ωという事ですね^ ^

どれどれ、、、??? 上手くテスターが当たってないのか!? 反応がないみたいだぞ?

テスターを刺したままいろいろ動かしてみると、たまに0Ω付近に寄ったり100Ωくらいになったりと変化が見られる様になりました!

ひょっとしたらシートベルトの不良か!?

現状で復元してスイッチ操作すると反応なし、グリグリしてみても反応なし。 そうだ、コネクターを抜いた所を短絡させてみよう^ ^

ウィーン♫

来たー!!! いろいろ点検した結果、真犯人はシートベルトやったー!!!

もう、嬉しすぎますよね^ ^ このタイミングが一番気持ちいい刻です

そうなればシートベルトを分解して点検に入ります 状態によっては部品交換しなくても治る可能性があるので中身を見てみる事に

おそらく非分解の様な感じがしましたが、マイナスドライバー等でテコッて外せました

この赤色の裏側に秘密がありそうですね

見えました! 配線が着いているのでこの黄色い部分が可変抵抗になってそうですね^ ^

画像の真ん中部分がどうも接点になっている様ですね ここの接点が悪くなって導通不良になっていたと推測できるので、ここの金属部分のツメを少し立ててやって接点グリスを塗って組んでみます

組み上がった後テスターで点検してみると、0Ω確認出来ました! これでシートベルトの不具合は完治ですね^ ^

早速車両に復元して作動確認をしてみます

すると今まで無反応だったのが嘘の様にすんなり動き出しました^ ^

今回の感想・まとめ

やれやれ^ ^ といった気持ちと ま、さ、か、(^^;;といった気持ちが現れて若干複雑ではありましたが、長い戦いに終止符を打つ事が出来ました^ ^

今回は部品をいろいろと変えてしまいましたが、もちろん全て請求になっております(^^;;

業界人ならわかるかと思いますが、大人の事情ってもんですよね(^^;;

そもそも現象確認時に不具合として現れていたのをみすみす見過ごしたのが今回の敗因とも思われます( ; ; )

故障診断を進める上で作動条件の重要性について勉強になる事例でしたし、結果は作業ミスと、もう一個不具合が潜んでいたという事を見過ごした事が今回のミソだと思います(>_<)

今回も最後までご覧頂きありがとうございました^ ^

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