KZJ95 ランクルプラド リアD/F O/H(オーバーホール)

今回はデフのO/Hをご用命頂いたので作業です^^

10年お勤めして初の試みでした。YouTubeの森本モータース?を参考にイメトレして実践です^^

走行装置として重要な部分ですので、時間をかけて慎重に・何度も修理書を確認して取り組みました。

車乗からD/FキャリアASSYを取り外す

デフキャリアを外すにあたって↓

  • D/Fオイルを抜き取る
  • プロペラシャフトを切る(D/F側)アイマーク忘れない
  • 左右のアクスルシャフトを抜き取る
  • D/Fキャリアの固定ナットを外してミッションジャッキ等を据えて降ろす

こんな感じで車乗から外してやります^^ 脱着時間は0.5H~1Hくらいあれば大丈夫でしょう。

ちなみに

アクスルシャフトを抜くのにブレーキラインの切り離しが必要になりますが、その中でもPKBの切り離しが修理書を見るもまぁまぁ面倒な事で。本来ならディスクローターを外してインドラムの中を分解して外すとなってますが、画像の↑部分のピンを抜く事で容易に取り外しが出来るみたいです^^

PKBを引くとワイヤーが引っ張られる構造なので、そこを切り離します^ ^

構成部品の分解・点検

車乗から外したらD/Fスタンドなるものへ装着し、作業台の万力へ固定してやります。

ここからひたすらD/Fオイル臭いですが、頑張りましょう(⌒-⌒; ) 油圧プレスなどを駆使して分解・点検・清掃を実施します。

コンパニオンフランジ部分のB/Gです。おそらく唸り音が発生する箇所はここのベアリングの焼き付きの様です。 こちらの変形している「カラー」が今回の1番注意すべきポイントです。

各ベアリングの交換

全部で4個のB/Gを交換しますが、油圧プレスでどうあがいても抜けないやつはこんな感じでSSTと頭を駆使して抜いてやります。おそらくこの方法は間違ってますので参考程度でお願いしますね^^;

うん、美しいですね笑 これは普通には抜けんですね笑

もう一度、こんな感じです^^ 圧入が硬くてベアリングが抜け辛いので横に逃げる力をも逃さぬ様にホールドしてやります^ ^

D/Fキャリアの中に残ってるB/Gレースと、もう1個のベアリングも抜きます。エクステンションバーなどで叩いて抜けます^ ^

D/FサイドB/Gなどのプレロード・総合プレロードの調整

ここからがデフの醍醐味ですね。各プレロードの調整です。

  • リングギヤ背面側を締め込んで、リングギヤのバックラッシュが0.18mmになるまで締める
  • 更にそこからリングギヤを回しながら歯面側のナットをいっぱいまで締め込んでB/Gを落ち着かせ、緩める
  • リングギヤ歯面側を軸方向遊び0から1.5ノッチ締め込む※遊び0とは締め込みが重くなったところを指す
  • ドライブピニオンとリングギヤのバックラッシュが基準値内になる様、左右の調整ナットを移動させて調整。(左を1ノッチ緩めたら、右を1ノッチ締め込む)

↑こんな事書いてますが、要はプレロードなのでベアリングに予め圧力をかけてやって、緩めてやる様です。そんでバックラッシュの調整をするみたいです。アジャストナットはカムプーリの固定SSTを加工すると対応出来ますよ^ ^

↑バックラッシュの測定中。コンパニオンフランジを片側でガッチリ掴んで固定し、もう片方の手でリングギヤをカタカタしてやります。まるでDJの様にスクラッチするイメージです^^

ここではまだコンパニオンフランジのオイルシールとカラーは未装着ですよ(^^)

リングギヤ歯当たりの確認

ついに来ました! 使用頻度が殆どない光明丹の出番です。使い方は適量をパーツ皿などに出してエンジンオイルで溶かします。溶かしたやつをハケなんかで絵の具の様にペタペタ塗ります^ ^ ※ちなみに猛毒らしいので粉を吸い込まない様に注意してください(⌒-⌒; )

うんうん、我ながらなかなか良いのでは?

 

んー??? なんか微妙? 正常にしてはもうちょっと奥まで来て欲しい様な、気持ち的には良さそうですが(^◇^;) もうちょっと奥まで寄せたい所存。何回か調整し、無事良い感じになったのでオッケー!

そしたら、コンパニオンフランジを抜いてオイルシール等を挿入してからまた上記の事を実施します(⌒-⌒; ) この時に歯当たりが微妙なら間に挟むプレートワッシャーを調整しますが、そもそもぐっちゃぐちゃになってないので大丈夫論で再使用です^^

総合プレロードの調整&本締め

またもや解りづらく書かれてますが先程の工程で歯当たりなどが良好なら、オイルシールとスペーサーを挿入して締め込んで行きます。

その時コンパニオンフランジの所のナットは340N.mくらい(限度が343N.mなので、プレロードの様子を見ながら200N.m→250N.mといった様に徐々に締めて行くと良い)で締め込んでフランジの起動トルクを見てやります。馬鹿でかいトルクで尻込みしますが、こんくらいの力で締めないと、1KZエンジンの発生したパワフルなトルクに耐えれません(^_^;) 起動トルク4〜6kgf.cmってめっちゃ小さい様に思いますけど意外とそんなもんでした。 コンパニオンフランジの古いスペーサーが変形しているのは意味があると言う事ですね(-_-;)

↑上記が終わったら最終の確認でもう一度光明丹を使用して歯当たりを見てやります。面倒ですが再度D/Fを降ろさない為にも見ましょう(⌒-⌒; )

2度目の歯当たりも良好ならギヤを清掃して車乗へ組み付けに入ります^ ^

ホーシング側の清掃や復元作業・作動油の補充・ブレーキラインのエア抜きなど

ホーシング側の紙ガスケットの除去やホーシング内側の清掃を実施します。D/Fキャリアの清掃がまだでしたら一緒にしましょう^^ 鉄粉や古い作動油も綺麗にしてやります。

D/Fキャリアの積み込みは2人でやると良いでしょう。多分30kgくらいあります(ー ー;)

後は抜いたアクスルシャフトを差し込んで、ブレーキラインのエア抜きなどをして作動油の補充です。こちらのD/FはLSDでした^ ^ 赤っぽく色が着いてるあの作動油です。 切り離したペラシャフトも忘れずにアイマークを合わせて締結しましょう!

ペラシャフトの締め付けトルクは73N.mの様です

各構成図はこんな感じです^^

今回の感想・まとめ

いかがでしたか? 最近は殆どなくなった作業とも言えるデフのオーバーホール。専門学校でチラッと触るくらいしかないと思いますが、概要はこんな感じです。なかなかする機会がない事をやれて光栄です^^ ベアリング関係なのでプレロードが出現しますが、一度経験したら大丈夫だと思います!わかり辛いとは思いますが、参考になれば幸いです^^

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