トヨタ HV車の補機バッテリー上がり チャージングシステムの車上点検方法紹介
今回はトヨタHV車の補機バッテリー上がりにて、補機バッテリー放電が疑わしいのですが念のため車両側に異常がないかの点検方法についてです。従来のガソリンエンジンで例えると「オルタネーターが充電しているか」についての点検を実施しますが、容易に点検方法は頭に浮かぶと思いますが、「HV車」となるとどうでしょう。私も始めクエスチョンでした(-_-;)
今回の協力車両はMXPJ10ヤリスクロスになります。度現行の新型HVですが、構造・システムはさほど変わってないと思いますので非常に参考になると思います。
補機バッテリーの良否判定を実施
なにはともあれ「補機バッテリー」を点検します。点検方法は↓
- 補機バッテリーの液量点検→UPPとLOWレベルの中間
- 補機バッテリーの比重点検→各セルが1.25以上(液温20℃)
- 補機バッテリーの取付状態点検→ターミナルに緩み等がないか、補機バッテリーに破損・変形・液漏れ等ないか
- 補機バッテリー電圧点検→11V~14V(IG OFF 液温20℃)
上記に異常があれば充電もしくは交換との事です。
補機バッテリーを充電する際は
- 通常充電 5A
- 急速充電 15A
上記を参考に実施してくださいとの事。おそらくLNシリーズのバッテリーかと思います。
AMD端子台 接続状態点検
聞き慣れない部品名が出て来ました(笑) インバーターASSYとエンジンルームリレーブロックを繋ぐ配線の様です。場所がもの凄くわかりずらいですが、ガソリンエンジン車の「スターターのB端子」の様なキャップがされているのでそれが目印です。
こちらインバータの冷却用ホース下側あたりに位置していました。めちゃくちゃ点検し辛い^^;
こことリレーボックスに入っている部分の接続端子の状態を点検します。「アーク痕」の有無を点検。もちろん良好(笑)
拡大するとこんな感じです。このキャップを外して点検します。
では次の工程へ!
DC/DCコンバータ 機能点検 実施
ここからが今回の点検のミソですね(^^) HV特有の従来のガソリンエンジンとは違う部分。用意するのは従来通り「AC/DC400A プローブ」とエレクトリカルテスターです。まず、補機バッテリプラスラインへ取り付けます。
↑こんな感じで、プローブの向きに注意して取付けます。この状態でREADY ONし、補機バッテリーへ流れ込む電流値が10A以下になるまで放置します。
その後READY ONにてヘッドライトHi・ブロワーモーターHi・デフォッガONにてプローブをさっきと逆に取り付けて補機バッテリーからの持ち出し電流および電圧値の点検を実施します。
↑こんな感じで、電流および電圧値を点検します。基準値は
- 補機バッテリーからの持ち出し電流→0A以下
- 補機バッテリー電圧→11V~15.5V
となってます。 0A以下ってのがミソで、テスターでマイナス表記になってるのを確認するみたいです。
上記の結果NGであれば「DCDCコンバータASSY」を交換する様になってます^^;
※DCDCコンバータはインバータASSYに内蔵となっているのでインバータASSYにて交換だそうです(;’∀’)
今回の感想・まとめ
いかがでしたか?今後増えて来るであろうHVの補機バッテリー充電に関する点検方法になりますが、DCDCコンバータの不具合によって補機バッテリーの電気が持ち出される様になるみたいです…. ミソはマイナス表記ですよ!マイナスならOK!!
同時に暗電流の点検も案内しておきたいところですが、そちらは従来通りの基本的な点検方法と似ていますので、今回は割愛させていただこうと思います^^;
整備士歴12年。某ディーラーにて12年ほどお世話になり、現在は陰ながら業界を支持する日々を奮闘中。低年時時代にブログ等にて知識を得た経験から、同じ様な悩みを抱えた人達の役に立てたらとの思いで情報を発信しています。