S402M タウンエースバン 停車中エアコン効かない(送風しか出ない) 夏の定番トラブル 比較的安価なエアコン修理事例
今回は夏の定番トラブル エアコン修理です。車種はトヨタ(ダイハツ)S402M タウンエースバンです。ご用命はエアコンの効きが悪く、停車中に送風の様なぬるい風しか出ないとの訴えです。早速システムの点検に入りますが、聞いただけで不具合箇所が想定されました^^;
その不具合箇所とは、ずばりラジエータ・ファンモーターの作動不良であったのです!! ファンモーターですので、モーター単体の部品供給があれば、おそらく2万円前後の修理代が相場ではないのかと思われます(^^)
エアコンシステムを熟知した上での不具合箇所推定・点検
故障診断を進める上で非常に重要なのが、そのシステムをしっかり把握できているかがカギを握ります。やみくもにシステムを1つづつ点検していては効率は悪いし、時間ももの凄くかかるし面倒です。後輩にもバカにされるしで良い事は1個もありません( 一一)
ではエアコンシステムのおさらいで、冷媒が出る仕組みはざっくりと
- A/CスイッチがONになっている
- マグネットクラッチ(A/Cコンプレッサー)の作動音「カチっ」がする
- 上記MGクラッチの作動音と同時にラジエーターファンモーターが作動している
ざっくりですがシステムが正常であればこの一連の流れで冷媒が出る構造になっているのですが、やはり今回もラジエータ・ファンモータの作動が確認出来ませんでした^^; よって一番末端であるラジエータ・ファンモータに作動電圧がかかっているかを点検してやります。
点検の結果12.4Vと作動電圧がかかっていましたので、末端のラジエータ・ファンモータの内部不良と特定できます(^_^)v
念のためファンモーターの導通も点検しますと、やはり700Ωとモーター内部の不具合と推定できます。
実際に交換作業。ウォーターラインは切り離さずに交換出来るのか!?
では交換していきましょう。ラジエータのファンモーターになりますので、付いている部分はラジエータASSYのシュラウド部分。扇風機の羽を回している中央ですので、バカ広いスペースがない限りはファンシュラウドごと外すのがマストになりますので、そうなるとラジエータアッパーホースはどうあがいても切り離す必要があります(-_-;)
綺麗に撮れませんでしたが、大体ご覧の通りラジエータの真ん中を通っています(-_-;) ラジエータASSYの固定ステーやシュラウドの固定ボルトを外してラジエータのフィン部分に傷を付けないように慎重に外します。
外れました! こんな感じでひこずり出してやります^^
この扇風機の羽のど真ん中のモーターを交換します。+ネジ3本で固定されているので交換して組み直して完了です(^^)
今回の感想・まとめ
部品交換後はしっかりと冷える様になりました(^^♪ これにて一件落着です。作業時間は1.5Hくらいで完了したと思います。
ファンシュラウドASSYを外すにあたって、コンデンサーに繋がるエアコンガスが通っているパイプが干渉して外し難いので、パイプを固定しているステーを外してパイプを自由にさせたら出て来ましたので、そこは注意ポイントだと思います。参考になれば幸いです(^^)
今回はファンモーターの不具合で比較的安価な修理となりました。故障診断をする上でシステムを把握する事は非常に重要ですので、日々新しいシステムが誕生に遅れを取らず学びたいものです。
整備士歴12年。某ディーラーにて12年ほどお世話になり、現在は陰ながら業界を支持する日々を奮闘中。低年時時代にブログ等にて知識を得た経験から、同じ様な悩みを抱えた人達の役に立てたらとの思いで情報を発信しています。